日々精進

                               校長 春山 正実

 新緑の若葉が目に鮮やかな季節になりました。4月11日、23日の授業参観、保護者会では多くの皆様に足を運んでいただき、また、PTA役員選出にもご協力いただき、ありがとうございました。1年生は入学して、2,3年生はそれぞれ進級してはや1ヶ月が経とうとしています。1年生は先日部活動に正式に入部し、本格的な活動が始まりました。練習時間や内容も厳しくなり、生活のリズムも変化してきますが、自分で決めた部活動。ぜひ、3年間続けて心と体を成長させて欲しいと思います。

昔話に「ウサギとカメ」の話があります。真面目に走ったカメが勝ち、怠けたウサギは負けてしまう。「どんなに相手より勝っていても油断をしてはいけない。コツコツと努力を積み重ねる者が勝利を得る。」皆さんは小さい頃、そんな教訓を学んだのではないでしょうか。実は、世界には「ウサギとカメ」の話はたくさんあります。しかし、その内容も教訓も少しずつ違っています。

◎「フランスでは、ウサギはカメを先に走らせておいて、ゴール近くで格好良く追い抜こうと考えていました。しかし、スタートが遅すぎたので、ウサギはカメを追い抜くことができずに敗れました。教訓は、『何事もスタートは早めに』です。

◎イランのカメは頭のいいカメです。競走をはじめる前に、自分そっくりな弟がいるので、その弟を呼んで来て、ゴールに立たせておいてから競走をしました。ウサギがどんなに速く走ってもカメには負けてしまうことになります。教訓は、『意味のない競争はしてはいけない』です。

◎インドでは、ウサギは昼寝をしていたがために敗れる点は日本と同じです。でも、インドでは悪いのはカメ。「なぜ、起こしてあげなかった」が非難の対象となります。教訓は『友情は大切にしなくてはならない』です。

◎カメルーンのカメは親類のカメたちを集めました。走る道筋に一定の間隔で隠れていてくれと頼み、そして出走。ウサギが途中で確かめるたびに必ず後ろにカメがいたので、走りに走り、ついにゴールで倒れて死んでしまいました。教訓は、『大切なものは準備・知恵・連帯』です。  【昔話にはウラがある(新潮文庫)】より

さて、皆さんはどの国の教訓に心惹かれますか。やはり、日本の教訓に一番共感しませんか。それは、カメはウサギの挑戦を受けてはいるのですが、実は戦っている相手は自分自身だからです。「どうせ勝てっこない」「もうやめてしまおうか」「どうせ俺なんか・・・」と言って投げ出しがちな自分自身と戦っているように思えませんか。十二月田中では、今年も、学力向上には家庭学習の充実も極めて重要であると捉えており、「自学ノート」に取り組んでまいります。ぜひ、日々精進を心がけ、学期に3冊、年間10冊以上を目標にコツコツ取り組んでください。また、生徒の学力向上・健全育成には、ご家庭、地域のご支援、ご協力が不可欠です。これからもよろしくお願いします。